ルールとポジション

【チームの守護神】ハンドボールのゴールキーパーの役割と心構え

【チームの守護神】ハンドボールのゴールキーパーの役割と心構え

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ハンドボールの試合は、1チーム7人でおこないますが、「ゴールキーパー」は他のコートプレーヤーと異なり特殊なポジションです。

私はコートプレーヤーでしたが、ゴールキーパー抜群にカッコいいポジションと思っています。

また、強いチームには必ずと言って良いほど、優れたゴールキーパーがいます。

今回は、ゴールキーパーの役割と心構えについて解説していきます。

 

ディフェンスの最後の砦であるキーパーの役割

ゴールキーパーは、コートの中で唯一6mライン内に入ることができ、ゴールを死守するポジションです。

ここでは、ゴールキーパーがするべき役割を紹介していきます。

 

相手シュートのセービング

ハンドボーラーでなくても分かると思いますが、相手のシュートを防ぎ、失点を阻止することがゴールキーパーの主な役割であり、最大の見せ場です。

ただ、シュートを止めるといっても、なかなか簡単な事ではありません。

シュートを止めるまでの過程が、シュートセーブにつながるのです。

 

コートプレーヤーへのコーチング

ゴールキーパーには、ゴールキーパーにしか見えない視野があります。

例えば、相手ポストプレーヤーの位置や、サイドからポストに切り込んでくるプレーヤーの位置などが挙げられます。

こういった、味方ディフェンスがマークしきれない相手の動きを素早く察知して、声をかけてディフェンス陣形を整えさせることも、ゴールキーパーの役割です。

もし失点してしまっても、味方ディフェンスに「誰がポストのマークにつくか」「上から打たせるのか、サイドに追い込み勝負させるのか」など、次の失点を防ぐためのコーチング力が求められます。

 

一次速攻の阻止

味方の攻撃が失敗に終わり、ディフェンスに戻り切れないとき、相手はワンマン速攻などの一次速攻を仕掛けてくる場面も多くあります。

もちろん、ノーマークの相手と1対1の勝負になり、スーパーセーブで失点を防ぐ事ができれば、チームも盛り上がり流れを引き寄せる事にもなります。

また、相手チームが明らかにワンマン速攻を重視していて、ディフェンスから飛び出す選手のタイミングを見極める事ができれば、ゴールキーパーもコートに飛び出しパスカットを狙う事もできます。

状況に応じて、臨機応変に動く事ができるゴールキーパーは、非常に頼もしい存在です。

 

シューターとの駆け引き

ゴールキーパーとしての経験を積めば、試合のなかで相手シューターの特徴を把握し、シュートコースを読んでセービングすることも可能です。

ただ、相手シューターも確実に得点できるように考えてコースを打ち分けてくるので、ゴールキーパーは試合を通して常に相手と駆け引きをしなければいけません。

うまく駆け引きに勝ってセーブできれば、ゴールキーパーしか味わえない喜びが得られる事でしょう。

 

セーブしたらマイボールにすること

せっかくシュートを防いでも、リバウンドが相手に渡ってしまうと失点につながってしまいます。

シュートを身体に当てたら確実にマイボールにできるよう、自分の身体の近くにボールを落とす技術も必要になってきます。

また、ハンドボールのルールでは、ゴールキーパーが最後に触ったボールがアウターゴールラインを割ると、マイボールで試合再開になります。

このルールを使い、味方ディフェンスがシュートブロック、もしくはパスカット等でボールにさわってアウターゴールラインを割りそうになった時は、ゴールキーパーが手なり足なりを使ってアウターゴールライン側にはじき出しましょう。

そうすれば、相手コーナースローになることなくマイボールにできます。

 

速攻の起点

相手のシュートをセーブしたら、まず狙うべきは一次速攻です。

相手ディフェンスの戻りが遅く、味方がノーマークになっていれば、確実なスローイングでボールを味方に届ける事が大切です。

ただ、無理をして一次速攻のロングパスを出しても相手にカットされ、せっかくの攻撃機会を無駄にしてしまう事もあるので、速攻にでるかどうかの判断力も求められます。

 

7mスローに対する心構え

味方ディフェンスがファウルを犯し、相手の7mスローになることは試合の中では度々あります。

私は、コーチングしているハンドボール部のゴールキーパーには、

「7mスローはチャンスだと思おう!」

と、常々言っています。

7mスローは、ハッキリ言って相手の方が有利です。

ですので、ゴールを決められて当たり前です。

それでも私が「7mスローはチャンスだ」と言っていますが、これには3つの理由があります。

・決められて当たり前なので「リラックスしてセービングに集中できる」こと

・7mスローを止めればチームが盛り上がり、流れを引き寄せられること

・セービング後に味方が1点取れば、1点を守った分と合わせて2点分の働きをキーパーがしたことになる

競っている試合で相手の7mスローになってしまうと、ファウルをしたコートプレーヤーをはじめ、チーム全体が盛り下がることも多くあります。

ですが、気の持ちよう一つでピンチをチャンスに変えられる、ポジティブな思考を持つようにしてみましょう。

 

ゴールキーパーは勝敗を左右する重要なポジション

ノーマークのシュートセーブ、7mスローの阻止など、1点を争う試合展開の中でゴールキーパーの役割は非常に重要です。

ハンドボールには7つのポジションがありますが、「神」が付けられるポジションは守護神であるゴールキーパーだけです。

ゴールキーパーをされているハンドボーラーのみなさんは、自分のポジションに誇りを持ち、試合を決定づけるプレーができるよう練習にはげんでください。

ABOUT ME
HBおじさん
1979年生れ。中学1年からハンドボールを始め、中学3年時に中体連およびJOC県選抜で全国大会出場。 ケガのため20歳で現役を引退するが、34歳の時に大学時代の先輩に誘われ、某中学校ハンドボール部の外部コーチとして再びハンドボールとの関りを持つ。