ルールとポジション

勝敗を左右するサイドシュート | サイドの役割はシュート以外も多い!!

勝敗を左右するサイドシュート | サイドの役割はシュート以外も多い!!

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今回は、サイドプレーヤー(=ウイングプレーヤー)の役割と、サイドシュートの重要性について解説していきます。

ハンドボールのサイドシュートは、角度がない所から打つため、難しいですよね。

しかし、サイドシュートが決まるか決まらないかが勝敗の行方を決める事も少なくありません。

また、サイドプレーヤーにはサイドシュートを決めること以外にも、様々な役割があります。

 

サイドプレーヤーの役割

サイドプレーヤーには、得点を決めること以外でも、攻撃時・守備時にさまざまな役割

が求められます。

 

シュートを決める

どのポジションにも言えることですが、まずはシュートを決めることが最重要。

シュートを決めると一言で言っても、場面は様々ありますよ。

 

サイドシュート

強いチームは、例外なくサイドシュートを確実に決めてきます。

試合を見ていると、得点源のバックプレーヤーに目が行きがちです。

しかし、バックプレーヤーが相手ディフェンスを引き付け、ノーマークの状態でサイドにボールが回った時、いかに得点できるかが勝敗の行方を左右します。

特に、競っている試合ほどサイドシュートの決定率は重要になります。

 

速攻

守備からの早い切り替えでいち早く飛び出し、ワンマン速攻を決めることは、サイドプレーヤーの見せ場とも言えます。

速攻が決まれば、チームも勢いづきますし、相手に与えるダメージも大きいと言えます。

 

サイド以外のポジションからのシュート

現在のハンドボール戦術では、サイドプレーヤーはボールが回ってくるのを待っているだけではなく、ポストに入ったり、回り込んでカットインやミドルシュートを狙うこともあります。

 

攻撃のサポート

直接シュートを決めることも重要ですが、味方のサポートも大切。

サイドだからこそできるサポートもあります。

 

得点をアシストする

サイドから1対1を仕掛けて、ディフェンスを引き付け味方バックプレーヤーがシュートを狙いやすい所へパスを出す、回り込んでミドルシュートを狙うと見せかけポストにパスを出すなど、攻撃時のラストパスを出す役割も求められます。

 

ポストへのポジション移行

サイドからポストへ入ることは、パスをもらい得点を決めるだけではありません。

バックプレーヤーがシュートを打ちやすいように、相手ディフェンスにブロックをかけたり、ポストに入ることでディフェンスを中央に引き付ければ、味方にフリーでボールをもらえる選手ができることもあります。

 

守備での役割

オフェンスだけではなく、ディフェンスもサイドの重要な仕事。

 

相手の速攻阻止

自チームのセットオフェンスが失敗したら、相手チームは速攻で得点を狙ってきます。

いち早く戻り、相手の速攻を阻止することもサイドプレーヤーの大きな役割です。

 

セットディフェンスでのフォロー

自陣でのセットディフェンスでの役割も重要です。

サイドディフェンスは、隣の味方がアウト側に抜かれた場合、フォローに行くことで得点を阻止する、パスをサイドに出されても角度の少ないポジションから打たせて、相手の得点確率を減らす役割があります。

また、高い位置に味方ディフェンスが引き出されたら、相手ポストプレーヤーのケアも求められます。

 

サイドシュートが決まるチームは強い

得点力がある強いチームは、バックプレーヤーの得点能力や速攻の速さはもちろんですが、例外なくサイドシュートの決定率も高いと言えます。

男子日本代表で言えば、左サイドの土井レミイ杏利選手、右サイドの元木博紀選手は、ほとんど角度のないようなサイドシュートを決めるシーンが多く見られます。

ここからは、サイドシュートを決めるための動き、狙うコースを解説していきます。

 

サイドシュートまで持ち込める位置取りと跳ぶ方向

サイドシュートは、角度のない所でボールをもらうので、自分のジャンプで角度を生み出す必要があります。

そのためには、走り込める位置取りとジャンプする方向がカギとなります。

 

サイドシュートを打つ前の位置取り

ボールが回ってきてから走り込んでいては、ディフェンスに寄られてしまい、シュートにすら行けません。

フリーでボールをもらえそうだと感じたら、まずは走り込みながらボールをもらえる位置を取りましょう。

 

角度を作る動きと跳ぶ方向

サイドシュートは、角度を作れるよう跳ぶために、走り込む方向が重要になってきます。

やってはいけないのが、相手ディフェンスから外側へ逃げるように走り込んで、アウターゴールライン方向へ流されて跳んでしまう事で、これでは自分でシュート角度をせばめてしまいます。

踏み切る位置よりも、さらに角度を取れる方向、すなわち相手ゴールから離れる向きにジャンプすることを意識して、少しでも多く角度を作りましょう。

 

キーパーの動きを観察して確実に決める

サイドシュートの決定率を上げるには、キーパーとの駆け引きに勝つ必要があり、しっかりとキーパーを観察できる長い滞空時間が取れるジャンプをしなければいけません。

 

ジャンプは高く跳ぶ

サイドシュートを狙う時は、高く跳ぶことで滞空時間を長く取り、シュートコースの選択肢も増やす事ができます。

サイドシュートは角度がせまいので、どうしてもゴールに近づきたいという意識から、前方向へ跳んでしまうことがありますが、前へ飛んでしまうと低いジャンプになってしまいシュートコースが減ってしまいます。

前ではなく、上へ高く跳ぶ事を意識しましょう。

 

ゴールキーパーを観察してコースを狙う

サイドシュートは、相手ゴールキーパーとの1対1の勝負です。

毎回同じコースを狙うのではなく、1試合を通してゴールキーパーと駆け引きをして、シュートが入る確率の高いコースを狙う必要があります。

よくサイドシュートは、ゴールキーパーの「腰の横」や「顔横」、「股下」を狙えと言われますが、これは駆け引きの中での話しです。

まずはキーパーが届かないコース、すなわち遠いサイドのゴール上隅を狙うことが基本です。

ゴール上隅に打てば、2本目以降のサイドシュートでキーパーが動いてくる可能性があります。

キーパーが上隅のコースを消しにきたら、ニア側の顔横や股下といったコースがうまれてきます。

 

サイドプレーヤーは奥が深い

ここまで書いてきたように、サイドプレーヤーには攻撃・守備・速攻と、様々な役割があり、試合の流れを大きく左右する、強いチーム作りに欠かせないポジションであることが分かってもらえたと思います。

特にサイドシュートは、「職人技」と呼ばれるほど、奥の深いシュートでもあります。

サイドプレーヤー本来の役割を発揮するには、とにかく経験を多く積むことが大切です。

シュート練習や、速攻での走りなど、一つ一つの練習に魂を込めて大切にし、大事な試合で活躍できる準備を日々の練習で養っていきましょう。

ABOUT ME
HBおじさん
1979年生れ。中学1年からハンドボールを始め、中学3年時に中体連およびJOC県選抜で全国大会出場。 ケガのため20歳で現役を引退するが、34歳の時に大学時代の先輩に誘われ、某中学校ハンドボール部の外部コーチとして再びハンドボールとの関りを持つ。