ハンドボールの警告・2分間退場・失格を解説|イエロー・レッド・ブルーカード【2026年版】

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ハンドボールでは身体接触が認められていますが、危険な接触やスポーツマンシップに反する行為には、警告(イエローカード)・2分間退場・失格(レッドカード)・報告書を伴う失格(レッドカード+ブルーカード)が適用されます。
特にややこしいのが、「イエローカードは何枚まで?」「2分間退場は何回でレッド?」「ブルーカードが出ると次の試合も出られない?」という違いです。
この記事では、2026年7月1日施行の日本ハンドボール協会「ハンドボール競技規則 2026年版」をもとに、初心者・選手・保護者にも分かるように整理します。
まず結論:4つの罰則の違い
| 罰則 | 意味 | チームへの主な影響 |
|---|---|---|
| 警告(イエロー) | 段階的罰則の最初の警告 | その時点では人数は減らない |
| 2分間退場 | 対象者が2分間出場できない | 原則2分間、コート上の人数が1人減る |
| 失格(レッド) | 対象者はその試合の残り時間に参加できない | 原則2分間1人少なくなった後、人数は戻せる |
| 報告書を伴う失格(レッド+ブルー) | 失格に加え、試合後に報告書が提出される | 試合中の扱いは失格。試合後に追加処分が検討される |
重要なのは、すべての反則が「イエロー→2分→レッド」と順番に進むわけではないことです。危険性が高い行為は、警告を受けていなくても即2分間退場や失格になることがあります。
ハンドボールでは、どこまで身体接触していい?
ハンドボールは接触のある競技です。相手に触れた時点で反則になるわけではありません。
競技規則では、たとえば次のような守備が認められています。
- 開いた片手を使い、相手の手からボールを取ろうとする
- 曲げた腕で相手の身体に接触し、その動きについていく
- 位置取りのため、胴体を使って相手の進路をブロックする
一方で、相手が持つボールをひったくる・叩き落とす、腕や脚で相手を押し出す、身体やユニフォームをつかむ、走ったりジャンプしたりして相手にぶつかる、といった行為は許されません。
ただし、「反則を取られた=必ずカード」でもありません。罰則の重さは、接触した位置、相手の身体のどこに接触したか、強さ、相手への影響、シュート中や高速移動中だったか、といった条件を組み合わせて判断されます。
つまり「ホールディングなら何回やってもカードにならない」「同じファウルなら必ず同じ罰則」という覚え方は正確ではありません。
警告(イエローカード)は何枚まで?
警告は、段階的に罰則を適用すべき違反やスポーツマンシップに反する行為に対して示されます。
2026年度競技規則では、1人のプレーヤーに示せる警告は1回までです。また、1チームのプレーヤー全体でも合計3回までしか警告を出せません。
「2枚目のイエローカードが出て2分退場」ではない
同じ選手に2枚目のイエローカードを提示するわけではありません。すでに警告を受けた選手が再び段階的罰則に相当する違反をした場合や、チームのプレーヤーがすでに合計3回の警告を受けている場合、その後は少なくとも2分間退場となります。
サッカーの「イエロー2枚でレッド」という感覚とは少し違うため、ここは初心者が混同しやすいポイントです。
2分間退場とは?何が起きる?
2分間退場になると、そのプレーヤーは2分間競技に出場できず、チームもその間は代わりの選手を補充できません。
7人でプレーしていたチームなら、通常は6人で戦うことになります。退場時間が終われば、3回目の退場による失格でない限り、再び選手を出場させることができます。
2分間退場は、警告を積み重ねた結果だけではありません。危険性の高い違反などでは、それまで警告を受けていなくても即座に2分間退場になります。
警告なしで即2分間退場になり得る主な例
- 高速で走っている相手に強く違反する
- 相手を背後からつかみ続けたり、引き倒したりする
- 頭部・喉・首に対する違反
- 胴体やシュートしようとしている腕を激しく叩く
- ジャンプ中の相手の脚や足をつかむなど、身体のコントロールを失わせようとする
- 高速で走ったりジャンプしたりして相手にぶつかる
「接触が強かったか」だけではなく、相手が自分の身体を守れない状況だったかも重要です。
GKの頭にシュートが当たったら退場?【2025年改正】
このルールは古い解説との違いが出やすいので注意してください。
現在は、次のようなケースで即2分間退場の対象となります。
- GKとの1対1で、シュートがGKの頭部に直接当たった
- 7mスローで、ボールの方向へ頭を動かしていないGKの頭部に直接当たった
- 試合終了合図後のフリースローで、ボールの方向へ頭を動かしていない防御側プレーヤーの頭部に当てた
7mスローでGKの頭部に当てた場合などは、以前は失格として扱われていましたが、2025年7月の規則改正で即2分間退場へ変更されました。
なお、GKの頭部に当たれば何でも2分になるわけではありません。GKとの1対1の状況であること、シュートの最初の接触が頭部であることなどの条件があり、GK自身がボールの方向へ頭を動かした場合などは対象外です。
レッドカード=失格|3回目の2分間退場でも出る
ハンドボールでレッドカードが示されると失格です。
失格となったプレーヤーやチーム役員は、コートと交代地域から直ちに離れ、その試合の残り時間はチームに関与できません。
代表的なのは、同じプレーヤーが3回目の2分間退場を受けた場合です。3回目の2分間退場は、そのまま失格になります。
ただし、退場回数に関係なく一発でレッドカードになることもあります。
一発で失格になり得る主な危険行為
- 走っている・ジャンプしている・シュートしようとしている相手の身体のコントロールを明らかに失わせる行為
- 顔・喉・首に対する特に攻撃的な行為
- 乱暴で、相手の安全性を無視した違反
- 違反を受けた後の報復行為など、著しくスポーツマンシップに反する行為
ここで大切なのは、実際に相手がケガをしたかどうかだけで失格を決めるわけではないことです。相手が空中にいて身を守れないなど、重篤な結果につながる危険性も判断材料になります。
レッドカードが出たらチームはずっと1人少ない?
いいえ。通常の失格では、対象者本人はその試合に戻れませんが、チームが人数を減らすのは原則として2分間です。
その2分間が終われば、失格になった本人とは別の選手を入れて、コート上の人数を戻すことができます。
サッカーのレッドカードのように、その試合の最後までチーム人数が1人少ないままというルールではありません。
レッドカードをもらうと次の試合も出場停止?
通常のレッドカードだけで、競技規則上ただちに次の試合の出場停止が自動的に決まるわけではありません。
通常の失格は、その試合の残り時間に適用されます。一方、後述するブルーカードが示される「報告書を伴う失格」では、試合後に裁定委員会へ報告書が提出され、追加の処分が検討されます。
また、大会やリーグ独自の規律規程によって別途処分が定められる場合があるため、実際の出場可否は大会規定も確認してください。
ブルーカードとは?レッドカードとの違い
ブルーカードは、レッドカードとは別に「もう1段階の退場時間」を追加するカードではありません。
レッドカードで失格を示した後、その失格についてレフェリーが報告書を提出することを明確に知らせるカードです。
| レッドカード | レッド+ブルーカード | |
|---|---|---|
| 試合中 | 失格。その試合の残り時間は参加できない | 同じく失格 |
| チーム人数 | 原則2分間1人減る | 原則同様 |
| 試合後 | 通常は競技規則上の失格処理 | レフェリーが報告書を提出 |
| 追加処分 | 大会規程等による場合あり | 裁定委員会が追加処分を検討 |
報告書を伴う失格の対象になり得るのは、たとえばあまりにも無謀・危険な行為や、競技の状況とかけ離れた意図的で悪質な行為です。侮辱・脅しなど極めてスポーツマンシップに反する行為も対象になることがあります。
つまり「ブルーカード=○試合出場停止」と機械的に決まるわけではなく、ブルーカードは追加処分を検討するための報告書が伴うことを示すものと理解すると分かりやすいです。
「4分間退場」とは?
通常の退場時間は2分ですが、特定のケースではチームが4分間続けて1人少ない状態になることがあります。
たとえば、2分間退場を宣告された直後、競技が再開される前にそのプレーヤーがさらにスポーツマンシップに反する行為をして、追加の2分間退場を受けるケースなどです。
これは「4分間退場」という1種類のカードがあるわけではなく、競技再開前に罰則が重なった結果、チームの人数減少が合計4分間になると考える方が正確です。
試合終了前30秒には特別なルールがある
試合終了前30秒間は、相手の得点機会を意図的・不正に奪って時間を使う行為に対して、特別な規定があります。
たとえば競技の中断中に、相手がシュートできる位置へ進むのを防ぐ目的でスローの実施を妨害・遅延した場合などは、違反者を失格とし、相手チームに7mスローが与えられます。
「試合終了間際なら、レッドカード覚悟で反則して時間を使えば得」という戦術を防ぐためのルールです。
警告・退場を避けるディフェンスの基本
ハンドボールは身体接触を避ける競技ではありません。大切なのは、相手の身体を狙うのではなく、正しい位置取りで進路とプレーを制限することです。
特に初心者は、抜かれた後に横や後ろから腕を出すと、危険な接触になりやすくなります。
相手の正面を取り続ける1対1守備の考え方は、ハンドボールの1対1で守るコツでも詳しく解説しています。
- できるだけ相手の正面に入る
- 胴体を使って進路を限定する
- 腕は曲げ、押し出すのではなく相手の動きについていく
- 空中の選手や高速で走る選手には無理に接触しない
- 抜かれた後に後方から引っ張らない
守備のシステムや位置取りについては、ハンドボールのディフェンスシステムも参考にしてください。
よくある質問
Q. イエローカードは何枚までですか?
プレーヤー個人には1回まで、チームのプレーヤー全体では合計3回までです。同じ選手に2枚目のイエローカードを出すのではなく、その後の段階的罰則に相当する違反は少なくとも2分間退場になります。
Q. 2分間退場は何回でレッドカードですか?
同じプレーヤーが3回目の2分間退場を受けると失格となり、レッドカードが示されます。
Q. 2分間退場した選手は戻れますか?
3回目の退場による失格でなければ、退場時間が終了した後に再び出場できます。退場中の2分間は、その選手の代わりを入れることはできません。
Q. レッドカードが出たら何分間1人少なくなりますか?
通常は2分間です。その後は別の選手を補充して人数を戻せます。ただし、競技再開前に罰則が重なるなど、4分間人数を減らす特例もあります。
Q. ブルーカードが出るとどうなりますか?
レッドカードによる失格に加え、その失格についてレフェリーが試合後に報告書を提出します。裁定委員会が追加処分を検討します。ブルーカードそのものが「必ず次の○試合を出場停止」という意味ではありません。
Q. GKの顔にシュートが当たったらレッドカードですか?
現在は、GKとの1対1や7mスローなど規則で定められた条件を満たして頭部に直接当たった場合、原則として即2分間退場の対象です。以前の規則と異なるため、古い解説には注意してください。
Q. 普通のファウルを何回すると退場ですか?
バスケットボールのように「ファウル○回で退場」という個人ファウル数の制度ではありません。違反の種類、危険性、相手への影響、すでに受けた罰則などで判断されます。
まとめ|カードの色より「危険度と罰則の意味」を理解しよう
- イエロー:警告。個人1回、チームのプレーヤー全体で3回まで
- 2分間退場:2分間本人は出場できず、チームも原則1人少ない
- レッド:失格。その試合の残り時間は本人が参加できない
- ブルー:レッドによる失格に「報告書を伴う」ことを知らせる
- 3回目の2分間退場は失格
- 危険な行為では、警告なしで即2分間退場・即失格になることもある
罰則だけでなく、3歩・3秒・6mライン・各種スローなど基本ルール全体を確認したい人は、ハンドボールの基本ルール完全ガイド【2026年版】をご覧ください。
※本記事は2026年7月1日施行の公益財団法人日本ハンドボール協会「ハンドボール競技規則 2026年版」を基準に作成しています。実際の大会では大会要項・規律規程等によって追加の取り扱いが定められる場合があります。
参考:日本ハンドボール協会 競技規則 / ハンドボール競技規則 2026年版
