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ハンドボールのディフェンスシステムは、0-6の他に1-5システムや1-2-3システムなど様々な陣形があります。
0-6システムは最も多くのチームが採用しているといって良いほど、基本のディフェンスシステムです。
今回は、基本となる0-6システムに焦点を当てて解説していきます。
0-6ディフェンスの陣形とメリット
0-6のディフェンスシステムは、自陣の6mラインに沿って横一列に並ぶため、別名「一線ディフェンス」と呼ばれます。
0-6ディフェンスのメリットは以下のようなものが挙げられます。
隣の味方ディフェンスと近いので移動距離が少ない
横一線に並んでいるため、マークの受け渡しが確実にできていれば、一人一人の運動量を抑える事ができます。
相手ポストプレーヤーにスペースを与えにくい
6mライン付近で横一線に並びスペースがせまいので、相手ポストプレーヤーが簡単にはフリーになりません。
横に広い陣形だからサイドからの攻撃に強い
相手サイドプレーヤーから見ると、外に抜いてもせまい角度しか残されておらず、かといってイン側に切り込んでも2枚目のディフェンスがすぐにフォローできるので、サイドからの攻撃に対して強いと言えます。
一人抜かれてもすぐにフォローできる
マークの受け渡しさえ確実にできていれば、相手バックプレーヤーに抜かれても、隣のディフェンスがすぐさまフォローに行けます。
失点する確率の低いサイド勝負に追い込むことができる
味方が一人抜かれマークがずらされたとしても、隣のディフェンスが次々とフォローに行けば、最終的に角度の狭いサイドシュートまで追い込みやすいと言えます。
「守備的」「攻撃的」の使い分けができる
0-6ディフェンスの基本は横一線の陣形ですが、ボールのある逆側のサイドディフェンスか2枚目のディフェンスがボールを持っていない相手バックプレーヤーにけん制を仕掛ける事で、攻撃的な0-6ディフェンスとすることもできます。
逆に、勝ち試合でゲームコントロールできる点差・時間帯になれば、けん制には出ずディフェンスの出下がりを最低限にして、守備的なディフェンス布陣とすることができます。
0-6ディフェンスのデメリット
弱点の少ないように感じる0-6のディフェンスシステムですが、以下のようなデメリットもあります。
身長の高い相手からはロングシュートを狙われやすい
6mライン付近で守るため、身長に勝っていたり、シュート力のある相手バックプレーヤーに対しては、高い位置で当たらないと簡単にロングシュートを狙われてしまいます。
一次速攻に移行しにくい
ディフェンス6人がべったり6mラインまで下がったままの状態で、相手にシュートを打たせてキーパーがセーブしても、低い位置から走り出すことになるので、タイミングよく走り出せる選手がいないと、ワンマン速攻などの一次速攻につなげづらいと言えます。
マークチェンジを確実にする必要がある
相手バックプレーヤーのクロスプレー時や、ポストプレーヤーをマークしているディフェンスの前でバックプレーヤーにボールを持たれた時などは、確実にマークの受け渡し(マークチェンジ)をしないと、マークがずれたり、ポストプレーヤーをフリーにしてしまう事があります。
安定感のある0-6ディフェンスに必要な事
ここまで、0-6ディフェンスのメリット・デメリットを紹介してきましたが、安定感のあるディフェンスにするには、コートプレーヤー全員がシステムを理解し、決められた動きをすることが重要です。
特に大切なのが、「マークチェンジ」「マークの出下がり」「けん制」「一次速攻の準備」の4つです。
それぞれ基本的なことではあるものの、できているのとできていないのとでは大きな差が出てくるので、意識しておきましょう。
【基本中の基本】マークチェンジ
0-6ディフェンスでは、一人一人が守るエリアを決めておき、相手バックプレーヤーのクロスプレーなどでは確実にマークチェンジをする必要があります。
ポストプレーヤーを使った攻撃を仕掛けられた時も、どのディフェンスがどこまでついていくか、あらかじめチームで決め事として準備しておくことが大切です。
マークの出下がり
0-6ディフェンスでは、この出下がりの動きができないと簡単にロングシュートを狙われてしまいます。
図のように6mラインからフリースローラインまで、三角形を描くようなフットワークが試合を通して必要になります。
けん制
ボールを持っていない相手バックプレーヤーに対して、けん制をかけパスカットを狙う事で、相手のボール回しの流れを止め、攻撃の勢いを殺すことも重要です。
一次速攻の準備
0-6ディフェンスで一次速攻を仕掛けるには、チームで決めごとを作り準備しておく必要があります。
例えば、けん制に出たディフェンスがマイボールになると予測してそのまま速攻に飛び出すのであれば、両隣のディフェンスはリバウンドや二次速攻に備えて残るなど、あらかじめ決めておく事です。
6人のコートプレーヤーの共通意識が0-6ディフェンスのカギ
ここまで解説してきたように、0-6ディフェンスでは、けん制や速攻の準備など、ボールがない側のディフェンスも常に連動して動いて、はじめて機能するシステムです。
練習はもちろん、試合中でも常に声を掛け合って6人のディフェンスが共通意識を持ち、相手の攻撃に合わせて各々の動きを調整することが重要です。
他にもハンドボールのディフェンスには多くの種類があります。
こちらの記事で全ての種類(「0-6」から「2-4」までの5パターン)について解説しているので参考にしてみてください。