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ハンドボールのディフェンスシステム(陣形)には、様々な種類があります。
今回は、特殊なディフェンスシステムである、2-4ディフェンスについて解説していきます。
2-4ディフェンスの目的は「相手バックプレーヤーに自由を与えないこと」
2-4ディフェンスでは、トップディフェンスに2人を配置し、高い位置で相手バックプレーヤーをマークします。
そうすることで、相手バックプレーヤーの自由を奪い、ロングシュートを防いだり攻撃の起点を早い段階で潰すことができます。
2-4ディフェンスのメリット
2-4システムのディフェンスでは、以下のようなメリットがあります。
サイズ(身長)が劣っていても相手バックプレーヤーにプレッシャーをかけられる
1-5ディフェンスや、1-2-3ディフェンスと同じく、トップディフェンスが高い位置を取ることで、身長で負けていても相手バックプレーヤーに自由を与えず、相手攻撃のリズムを崩すことができます。
パスミスやパスカットを積極的に狙う事ができる
トップディフェンスがバックプレーヤーに対して高い位置でマークする事で、相手オフェンスのパスミスを誘発させたり、後ろを守る4人も積極的にパスカットを狙う事ができます。
一次速攻への切り替えが早くできる
トップディフェンスの2人が高い位置にいるので、パスカットや相手のパス・シュートミスから一次速攻へ素早く切り替える事ができます。
2-4システムのデメリット
1-5ディフェンスや0-6ディフェンスに比べ、後ろを4人で守る2-4ディフェンスは、ボールサイドのバックプレーヤーをゾーンディフェンスでトップディフェンスの2人が守ります。
そのため、マークチェンジが確実にできないと、相手にフリーの選手が生まれてしまうため、戦術理解が全員に求められるディフェンスシステムと言えます。
フットワーク力と体力に優れたプレーヤーが2人必要
トップディフェンスは、ボールサイドのバックプレーヤーに対して常に高い位置でマークできるフットワーク力が求められます。
また、試合を通してマイボールになった瞬間、一次速攻に走りだせる体力と走力も必要になります。
4人のディフェンスは絶えずマークチェンジする必要がある
2-4ディフェンスでは、トップディフェンス2人がボールサイドのバックプレーヤーをマークします。
ですので、ボールと逆サイドの相手バックプレーヤーとポストのマークは後ろの4人が絶えずマークチェンジし、ケアする必要があります。
サイドとポストから崩されやすい
2-4ディフェンスでは、後ろを4人で守るため横に狭い布陣となります。
そのため、サイドの守備が手薄になりがちです。
また、サイドをケアしようとすると、4人が左右に間延びして、ポストに広いスペースを与えてしまい、簡単にポストプレーヤーにボールが渡り、崩されることがあります。
2-4ディフェンスの基本
2-4ディフェンスは、あまり目にすることのない特殊なディフェンスシステムですが、基本的なディフェンスルールをチーム全体が理解していれば、サイズのあるチームに対して有効に機能します。
トップディフェンス2人で相手バックプレーヤー3枚をマーク
トップディフェンスの2人は、相手バックプレーヤー3人をマークします。
2人で3人をマークするので、数的不利に感じますが、基本はボールサイドの2人をマークし、残り1人のバックプレーヤーは後ろのディフェンスがカバーします。
ポストの位置によってディフェンスのカバー位置を変える
相手ポストプレーヤーが、ボールサイド側にいれば、逆サイドの45度とサイドのマークは、正面にいる2枚目とサイドディフェンスでカバーします。
ポストがボールサイドと逆に位置どった場合は、サイドディフェンスが45度に対してけん制をかけ、2枚目のディフェンスはサイドをケアます。
相手ポストが浮いて崩しに来た場合の守り方
2-4ディフェンスの場合、相手オフェンスはバックプレーヤーに自由を与えるために、ポストが浮いてトップでフェンスへ縦ブロックを掛けて崩しにくる場合があります。
ポストが浮いた際は、後ろのディフェンスがマークに付いていき、まずはポストをフリーにさせないようにします。
縦ブロックを掛けられ、バックプレーヤーが抜いてきたら、すかさずマークチェンジし、フリーの選手を作らせないようにします。
飛ばしパスでサイド展開されそうになったらパスカットを狙う
サイドディフェンスが相手45度へけん制をかけているときに、サイドへ飛ばしパスを出されたら、2枚目のディフェンスはポストを3枚目に預けて、パスカットを狙います。
ただし、パスカットが成功しなければ相手に決定機を与えてしまうので、パスカットができないと判断したら、すぐにサイドプレーヤーをマークできる位置を取ります。
2-4ディフェンスは全員の戦術理解が必要不可欠
2-4ディフェンスは、0-6や1-5ディフェンスと違い、ボールやポストプレーヤーの位置によって、マークする相手が場面ごとに変わってきます。
ですので、6人のディフェンス全員が戦術を理解し、声を掛け合いながらマークチェンジし続ける必要があります。
つまり、忍耐強く継続して守り続けるチームワークがカギを握るディフェンスシステムと言えます。