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ハンドボールには、チームごとに様々な約束事のある攻め方(フォーメーション)があります。
今回は、基本的なフォーメーションの一つである「ワンクロス・ツーストレート」を紹介していきます。
ワンクロス・ツーストレートは基本的で使えるフォーメーション
ワンクロス・ツーストレートは、バックプレーヤー3人が連動して動き、相手ディフェンスを崩してフリーの選手を作る、基本的で使えるフォーメーションプレーです。
ワンクロス・ツーストレートの基本的な動き
ワンクロス・ツーストレート、別名ワンクロス・ツー並行は、その名の通り、1回のクロスプレーをきっかけに、2人のバックプレーヤーの選手が並行に走り込みます。
そして、その後の展開でサイドやポストでフリーの選手を作る戦術です。
ここからは、図を使って細かく解説していきます。
【ステップ①】ライトバックがななめに走り込んでボールを受ける
まずは、ライトバックの選手が、センターバックの前側へななめに走り込みながらボールをもらい、縦に攻めます。
【ステップ②】レフトバックとセンターは並行に走り込む
ライトバックの選手が走り込んできたら、レフトバックの選手がクロスでボールを受けます。
この時にセンターバックの選手は、レフトバックの動きに連動して、並行移動するように走り込みます。
【ステップ③】レフトバックが前を狙いながらセンターに展開
レフトバックの選手は、クロスでボールを受けたら自分の前を狙って攻めます。
そして、並行に走り込んでいるセンターバックの選手にボールを展開します。
【ステップ④】センターからポストもしくはサイドでフィニッシュ
センターバックの選手は、レフトバックの選手からボールを受けたら、自分の前を攻め、ポストもしくはサイドのフリーになった選手にパスを送りシュートを打ちます。
ワンクロス・ツーストレートで攻めきれなかった後の展開
ここまでの動きで、シュートまで持ち込むことがワンクロス・ツーストレートの基本です。
しかし、相手ディフェンスが粘り強くマークチェンジし、フリーのシュートまで持ち込めなかった場合の展開を説明します。
【ステップ①】センターが攻めている間にバックプレーヤーは位置を取りなおす
センターバックの選手が、攻め込んでパスもしくはカットインを狙っている間に、ライトバックとレフトバックの選手は逆サイド側で位置を取りなおします。
【ステップ②】レフトバックとライトバックが前を攻める
レフトバックとライトバックの選手は、位置を取りなおしてボールを受けたら、それぞれ自分の前のディフェンスの間を狙います。
それぞれシュートが狙えれば、シュートを打ちます。
【ステップ③】レフトウィングのサイドシュートでフィニッシュ
ここまでの展開で、レフトバックとライトバックの選手がしっかりと自分の前を攻めていれば、ディフェンスのマークがズレて、レフトウィングの選手はフリーでシュートを狙えます。
フォーメーションプレーの注意点
ここまで、ワンクロス・ツーストレートを使い、フリーの選手を作る戦術を解説してきました。
しかし、カタチだけのフォーメーションプレーでは、相手ディフェンスも動いてくれず、フリーの選手を作ることはできません。
ここでは、フォーメーションプレーの注意点を説明していきます。
ボールを持った選手は必ず「前に攻める事」が大前提
フォーメーションプレーの中でも、ボールを受けた選手は、それぞれ自分で前を攻めてシュートを狙わなければ、相手ディフェンスを引き付けることができません。
相手ディフェンスを引き付けてフリーの選手を作ることが、フォーメーションプレーの目的です。
ただのパス回しにならないように、ボールを受けた選手は、まずは必ず自分の前に攻めてから、次の選手にパスを出すようにしましょう。
パスを出した選手も次の準備をしておく
フォーメーションプレーは、パスを確実につなぐことはもちろんですが、パスを出した後の動きも重要になってきます。
相手ディフェンスに粘り強く守られ、フリーの選手を作ることができなくても、バックステップを踏み、再びボールを受けて攻められる位置を取ることが大切です。
また、ボールと逆サイドの選手は、パスカットやパスミスなどを想定し、相手の速攻に備えて自陣に戻る準備も必要になります。
ワンクロス・ツーストレートは様々な場面で使える
ワンクロス・ツーストレートは、セットオフェンスでも十分に有効な戦術です。
また、相手ディフェンス準備ができていない二次速攻や、失点後のクイックリスタートで繰り出すと、さらに有効なフォーメーションとなります。
しかし、フォーメーションプレーの最中にパスミスなどで相手にボールを奪われると、たちまち逆速攻のピンチとなることもあります。
ミスなく確実に攻めるためにも、パスキャッチやステップの基本的な練習を大切にしていきましょう。